今、ますます熱い視線を集めている「将棋」。
最近では、藤井七段が史上最年少で棋聖を奪取したニュースで持ち切りになりました。
最近は賑わいを見せている将棋ですが、その内情については、実は未だにあまり知られていません。
そして特に、その「お金事情」は公表されていない部分が多く、謎が残されています。
プロ棋士が稼ぐ金額はどのくらいなのか?賞金や対局料はやはり気になるところですよね。
そこでここでは、タイトルの賞金について、またお金事情に深く関係している「格」についてご紹介します。
将棋で一番賞金が高いタイトルは「竜王戦」!その金額とは・・・
将棋でよく聞く、タイトル戦。そもそもタイトル戦とは何でしょうか。
タイトル戦とは、賞金や序列の高い大会のこと。
現在の将棋のタイトルと呼ばれるものは8つあります。
8つあるその大会の中でも、最も賞金が高いタイトルが「竜王戦」です。
気になるその賞金は、およそ5000万円!
それぞれのタイトル戦は参加条件があり、もちろん誰でも挑戦できるタイトルではなく、ランキング戦とトーナメント戦を勝ち抜いたもののみに対局資格が与えられます。
そもそも将棋タイトルの“格”って何?賞金を左右するのは格の高さ!
将棋界には、いくつもの対局大会がありますが、そのタイトルの中でも序列があり、賞金額も異なります。
そしてその序列を、「格」と呼びばれます。その格付けが高いタイトルほど、多くの賞金をもらえるというわけですね。
それでは、格付けの高い順に見ていきましょう。
竜王戦
ダントツ一位のタイトルといえば、竜王です。
「名人」も同立ですが、事実上の一位は竜王となります。
そして驚きなのは、何といってもその優勝賞金。その金額は、4320万円。
敗者でも、賞金は1620万円というから衝撃的です。
さらにこれに加えて、対局料が加算されることも。
結果的に、6000万円ほどの賞金が与えられます。
タイトル戦の締めくくりとなるこの大会では、過去に羽生善治氏、渡辺明氏などがタイトルを取りました。
名人戦
竜王と同じ格でありながら、最も歴史があるタイトルです。
賞金は、以下の通りです。
・名人防衛:3450万円(1200万円+1050万円+1200万円)
・挑戦者奪取:1600万円(1200万円+400万円)
・挑戦者敗退:700万円(300万円+400万円)
過去に、大山康晴名人が13連覇、中原名人が9連覇しています。
叡王戦
2018年度に新設された叡王戦は、あのニコニコ動画を運営するドワンゴが主催です。
2018年次に優勝した高見泰地先生の賞金は、2636万円です。
王位戦
4位は、王位戦です。
菅井王位と広瀬王位それぞれの賞金を見ていきましょう。
・菅井王位
【2016年】958万円
【2017年】2,363万円(王位奪取)
【2018年】2,193万円(王位陥落)
・広瀬王位(当時)の場合
【2009年】768万円
【2010年】2,136万円(王位奪取)
【2011年】2,005万円(王位陥落)
以上のように、1400万円ほど増加しているのがわかりますが、平均的な賞金額は1200万円と想定されます。
また、羽生善治氏が9連覇、大山王位が12連覇を成し遂げたタイトルでもあります。
王座戦
こちらも、羽生善治氏の19連覇が有名です。
賞金は、以下の通りです。
・王座防衛:1200万円(700万円+500万円)
・挑戦者奪取:1000万円(700万円+300万円)
・王座敗退:800万円(300万円+500万円)
・挑戦者敗退:600万円(300万円+300万円)
王位戦とほぼ同立ですが、王位戦より対局数が少なくなっています。
棋王戦
こちらの賞金は、複数冠保持者が多いタイトルであるため予測が難しいですが、平均的には900万円です。
一例として、過去に棋王となった郷田真隆氏の賞金を見てみると以下の通りです。いずれも、対局料を含めた金額となります。
【2011年】1,679万円
【2012年】2,597万円(棋王奪取)
王将戦
名人戦に次いで長い歴史をもつタイトル。
こちらの賞金は、800万円ほどです。過去に王将位を保持していた久保田利明九段の金額を見てみましょう。
・2018年:2,598万円
・2017年:3,019万円
・2016年:1,665万円
棋聖戦
藤井七段が獲得したことでも記憶が新しいですよね。
賞金は非公表ですが、300万円と予測されています。
将棋のタイトルの格と賞金 まとめ
以上、タイトルの賞金についてご紹介しました。
普段あまり目にすることのない、多額のお金が賞金とされていることがわかりました。
意外と多いタイトルの賞金額に驚かれたかもしれません。これだけ見ると、かなり夢のある職業に見えますよね。
しかし、一方で将棋士はかなり厳しい道とも言えます。
完全に実力主義の世界なので、対局に勝てなければ食べていくことも難しいとのこと。
プロ棋士になりながらも、志半ばで夢破れる棋士も少なくありません。
藤井聡太さんの活躍で注目を浴びている最近の将棋界ですが、将棋の様々な側面を知ることで、より対局を見るのが楽しくなるはずです。